景気後退の可能性について(2024.Mar.03)

 2024年3月3日の景気感としては、日経平均先物が4万超え、SP500の好調により、株を見れば、好景気に感じ、2023年に続き、春闘のベア交渉も好調の様。しかし、隣国の中国ではいまいちな相場が続いたが、政府系ファンド(国家隊と言われているファンドたち)が買い支え、今年は比較的好調に見える。また国内企業に外国の資産を売り、それで株を買うように号令が出ている。これがどんな影響を与えるかを考察する。

 

①資金について

 2021年から中国株式市場で6兆3000億ドルの時価総額が吹き飛んだ。また、この株安を受けて政府が1月末に約2兆元(約2778億ドル)の買い支えの表明し、2月初頭には空売り規制をした。しかし、外国人投資家が逃げるための資金になっている感じは否めない。減った分や買い支え分の金額が、そのまま他の場所に回るわけではないが、相当の量が、ほかのアメリカ市場や日本市場に流れているのと考えられる。加えて、コロナ渦の強引な政策を見た各国は、中国から資本を引き揚げ、デカップリングを進めており、そういった記事も最近よく目にすることも多く、むしろ、撤退していない企業は遅れているくらいの感覚を持ち始めている人も多いのではないのだろうか。

 コロナ明けの好調に上乗せする形で中国からの資本が株式市場に流入し、最近の株高を演出していると考えられ、加えて企業の国内回帰などから、さらに金回りが良くなり、それに合わせる形で政策金利が上昇している。そうして、政策金利の低い日本との金利差で、円安となっている。

 個人に目を向けた場合、雇用がコロナ渦よりは回復したとはいえ、賃金の上昇は企業の利益増加よりも少し遅れてやってくるため、物価の上昇に追いつかない肌感があるのではないだろうか。そこに高金利が重なってくると大衆の生活は言われているほど好景気を実感しにくい。このまま、高金利が続くと景気の悪化は確実なので、利下げをしたいが、大量のマネーが市場に出回っている現状、下手に利下げをするとあっという間にインフレ率が高くなるので、FOMACは利下げの機会を慎重に伺っている。

 主要国の金利を見ると軒並み4%台を超えており、この状況から絶妙なバランスのインフレ抑制をしなければいけない状況が続く。そんな中でも、金利が低い主な国は、日本、スイス、台湾である。世界の基軸通貨であるドルから見れば、日本円やスイスフラン、台湾ドルがこれから短期的に上昇する可能性があり、そのため各ファンドは利上げ材料があり好調な日本株をオーバーウェイトにしていると思う。FOMACが利下げを発表し、対米ドルの為替が動いてしばらくするまでは日本株の上昇が見込めそうである。

 

②Xデー

 投資を行う上では必ずリスクを考えなければならない。景気後退となる日はいつになるだろうか。今秋アメリカの大統領選挙がある為、アメリカとしてはそこまでに利下げをして景気を上向けにしたいと考えているはず。

 中国政府の買い支えによる資金提供があると、アメリカのインフレ傾向が強くなると考えられ、利下げが思ったより遅くなるだろう。過去、2015年に約2400億ドルで買い支えした時は、1か月くらいしか保持できなかったことがあり、今回は約2778億ドルと企業の海外資産がありさらに規制を強めている。そうなってくると、徐々に減速しそうではあるが資産の流出は止まら無そうで、対外資産をある程度使っても年内にも息切れしそうである。そうなると、SP500の騰落率データから今年の9-10月か来年の2-3月が怪しく、今年の第2Qの決算発表の後で現金比率を高めたい。

 

トランプ大統領

 に当選使しようがしまいが、中国がおとなしくしているとは思えない。経済的に窮地に陥った暁には何か行動を起こすだろう。まだ経済対策が効いているうちは良いが、効果が薄くなると動き出す可能性があるので、今年というよりは来年が焦点かもしれない。特に、正月や春節で人民が集合するときに何かが起こる気がする。それがどちら側のものかはわからないが。そうなると全世界的な景気後退と株価の下落が発生する可能性が考えられるので、2025年は現時点でのIMFの予想を下回るかもしれない。

 

④最後に

 私は専門家などではない素人なので誤りもあるけれど、このようにいろいろ事態を想定して素早く動けるようにしておくと少しだけ幸せになれるかも。